有休の残日数を確認すると、知らないうちに減っていた!
会社から勝手に有休消化を強制されたり、シフトで毎月1日有休込みの休日数になっている…。
休めているけど、勝手に有休が減るのって正しいのでしょうか?
ほとんどの場合は違法ですが、1つだけ合法の場合がありますので注意が必要です。
それでは確認していきます。
有給休暇を勝手に使われるのは違法?
会社があなたの有休を勝手に使って休みにするのは違法です。
例外は一部ありますが、知らぬ間に有休減るというのは絶対にダメです。
年次有給休暇は、労働者が請求する時季に与えることと労働基準法で定められているからです。会社が勝手に有休を使うことはできません。
勝手に有休が減っている例を挙げます。
- コロナで職場の「3密」を避けるために、今月2日間有休使って下さい。
- お盆休み会社を閉めるので3日間は有休消化日になりました。
- お客様の予約キャンセルで人が余るので、明日をあなたは有休に変更します。
- インフルエンザ診断が出たら、4日間は有休を使って休んで下さい。
などと、言われたことありませんか?
これら、口頭で一方的に会社側が有休取得を通知するのは違法です。
「有休を使う日は、労働者が自分で決める権利があるはずです。別の日に有休を使いたいので、その日を有休消化にしたくありません。」
とあなたは主張していいです。有休消化の主体はあなたです。
有休取得方法をごまかしたり勝手に有休を消化する会社には、早く見切りをつけて次の職場を探した方が幸せかもしれません。
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有休の問題は、転職理由にもなります。
「会社が一度決まったシフトを無断で操作して、有休を消化するなど、信頼できなくなったのも転職の理由の一つです」
というと、面接をする人事担当者は「だらしない会社で苦労したんだな…。」と思うかもしれませんね。
逆に「あなたは毎年すべて有休を使っていたの?」など、有休消化日数などを気にする面接官だと、その会社は有休を使いにくい社風かもしれないので注意が必要ですね。
年5日間は有休を使わせるのが会社の義務
2019年4月からスタートした働き方改革により、労働者に対して1年間で有休年5日を取得させることが会社の義務になりました。
大原則は年次有給休暇は、あなたの希望する日に取得できるで変わりありません。
しかし、1年間で有休5日取得が難しそうな場合に限り、会社があなたに対して有休取得日の意見を聞いたうえで、会社があなたの有休消化日を指定することが可能です。
具体的に解説します。
例1)あなたがすでに有休5日の消化しているとき
会社は勝手に有休消化させられない、意見を聞いて5日以上の消化を促してもいけない。
例2)年間有休5日を消化できていないが、有休消化の希望日を聞かれていない
会社は有休消化希望日を聞かずに有休消化させてはいけない。
例3)年間有休5日を消化できていないが、有休消化日を伝えた
会社は有休消化により事業の正常な運営を妨げるほどの理由がない限り、有休消化日を変更させることはできない。
などど、会社が有休消化を指定するときは厳格なルールが決められています。
有休消化に対して意見を求められていないときは、勝手に有休消化されたことになるので違法です。有休消化日を決められそうになったら、断って大丈夫です。
有休取得を断ったらどうなるの?
有休取得させられそうになった日がどんな日かによって、取り扱いは異なります。
以下、事例を4つ見てみます。
欠勤日を有休消化された
例えば、インフルエンザや盲腸など病気で休んだ日に有休消化させられた場合です。
有休消化したくないと伝えると、その欠勤日に対して給料が欠勤減額で減らされてしまいます。
これはノーワークノーペイ(働いていない日は給料は出ない)の原則により、正しい取り扱いとなります。
すでに有休処理されたものを取り消す場合は、後日欠勤減額されることになります。
「有休を後に残しておきたいので、今回の欠勤では有休消化しないでください」
という有休消化日を選ぶ自由があります。
勤務日を有休にされた
例えば、閑散期で客が少なく少人数シフトで回せるので有休消化させられた場合です。
有休消化したくないと伝えると、その日は予定通り勤務日になります。いつも通り出社し働かなければなりません。
有休は消えずそのままあなたの手元に残りますし、当然給料は通常通り支払われます。
「もともとシフト日なのに、暇だからと有休消化させられるのは違うと思います。有休をいつ使うかは自分で決めたいので、有休消化しないでください」
といい、シフト調整のために有休消化させるのを拒んで問題ありません。
今まで公休だった日に有休を使われた
例えば、去年まではお盆休みで会社を閉めていた8月15日を今年から、有休消化日に変更した場合です。
例年公休(会社の指定休日)だった日を有休にすることは、従業員にとって不利益な変更なので、行ってはいけません。
有休消化を拒んだ時は、2パターン対応があります。会社の判断で異なります。
1つ目は、有休取得しなかった日なので、ただの出勤日になるという対応です。
2つ目は、会社の都合による休日にするという対応です。
会社都合の休みなので、
- 例年と同じく公休になる
- 特別休暇が付与され休みになる(=有休は減らない)
- 会社都合の休みなので、欠勤減額されるけど、休業補償手当が支払われる
の3パターンあります。
①が一番正しいやり方ですが、場合によっては②③の取り扱いになることもあります。
休業だった日に有休を使われた
例えば、コロナウイルスにより会社が休業になった日に有休消化させられた場合です。
会社の都合で勤務日が休業に変わった。休業にすると、欠勤減額されて、休業補償手当が支払われます。
1日分の休業補償手当は、給料1日分よりも少なくても法律上問題ありません。
休業補償手当支払うより、有休使って1日分の給料をちゃんともらえたほうが得だからと勝手に有休にされる場合があります。
そうです。
有休は自分で使う日を決められるので、いくらコロナ禍といっても勝手に有休を使わせることは出来ません。
後述しますが、正式に「計画年休」を設定していなければ、有休消化を拒んでもいいんです。
有休消化を拒んだ時は、1日分の欠勤減額されたうえで、1日分の休業補償手当が支払われます。
休業補償手当は平均賃金の6割以上と法律で定められています。
細かい計算は省略しますが、給料を日割りして1日当たり10,000円だった場合、休業補償手当が6,000円というように、もらえる手取りが下がります。
【1日休業して休業補償手当が支払われる例】
給料220,000円で休業1日により欠勤減額10,000円、休業補償手当1日分6,000円となった場合
220,000円-10,000円+6,000円=給料214,000円 に給料が減ってしまいます。
有休消化を拒むと、休業補償手当が支払われ、もともとの給料よりもらえる金額が少なくなる可能性があります。
例外!計画年休なら有休減は合法
会社によっては「計画年休」というルールの下、一定の有休を指定日に消化させる場合があります。
あなたが希望していない日に有休が使われても、「計画年休」は違法ではありません。
計画年休とは、あらかじめ会社が従業員代表とが労使協定(ろうしきょうてい)を結び、有休消化日を決めることです。
対象とする従業員に対し、自由に使える有休を5日残しておけば、5日を超える有休の消化日を労使協定で決めることができます。
有休消化方法は
- 全員一斉に有休取得日を決める
- 部署ごとに有休取得させる
- A班・B班・C班の交代で有休消化日を指定
- 個人ごと有休消化日を指定
どの方法でも労使協定を結んで定めた計画年休なら合法です。
労使協定とは、従業員の過半数を代表する代表者が会社と書面で結ぶ約束事です。
必ず従業員に周知されなければならないものです。
内容を周知していないと正しい運用されていないので無効になる可能性もあります。
勝手に有休消化された?と疑問に思ったら
「うちの会社って、計画年休のルール定めていましたっけ?協定書を見たいんですけど…」
と確認しましょう。
計画年休の労使協定は、有休指定する都度作成しなければなりません。
昔の協定を見せられても、それは今年有効な協定ではありません。
最新版の労使協定を見て、あなたの有休消化日と一致するか確かめましょう。
まとめ
「計画年休」で労使協定の書面という証拠があれば、あなたが望まない日に有休消化されることがあります。
書面の証拠が確認できない限り、有休消化を断ることができます。きちんと社内で確認して誤解なく有休消化できるようになりたいですね!
最後まで読んで下さりありがとうございました。今日も一日お疲れさまでした!