繁忙期の生理と仕事がきつくてもう無理…。そんな状況になっていませんか？
女性はホルモンバランスによって体調が大きく変化します。
仕事と体調のバランスを取るための手段として、なかなか使われない生理休暇を取り上げてみます！
生理休暇は労働基準法で認められた権利！
生理休暇は福利厚生ではなく法律で定められているのです。あなたの会社にも生理休暇制度があります。就業規則を確認してみてください。
就業規則がない会社や、就業規則に生理休暇が載っていなくても、法律に定められているので、生理休暇を取得すことができます。
労働基準法第６８条（女性の生理休暇）
使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。
なお、生理休暇は月の日数制限はありません。
また、１日単位に限らず半日や時間単位の生理休暇取得も認められています。生理で苦しむ女性のために配慮された法律なのです。
生理休暇には医師の証明書など特別な証明も不要です。診断書を出せというのは、上司が無知なのか、いやがらせ行為の可能性があります。
法律にある「就業が著しく困難」を確認するために、会社は「同僚の証言等による証明」で就業できないことを確認することができます。
生理休暇を使い早退する際は
- 「1日中おなかが痛くて集中できない」
- 「吐き気が断続的に続いて精神的にキツイ」
- 「貧血で社内の軽作業もままならない」
など、早退するに至った体調不良を同僚にも少し伝えましょう。
体調不良を伝えたうえで、「迷惑かけて申し訳ないけど、今日は早退させてもらいます。」と伝えておくと理解が得られるでしょう。
一方で、就業が著しく困難な状態にある場合に、請求があったときに就業させてはいけない定めであり、休暇を生理であるだけで休暇を請求することを認めたものではない、ということは覚えておきたいです。
当然ですが、むやみやたらに生理休暇を取得すべきではないです。女性だけに与えられた権利、モラルを大切に生理休暇を取得しましょう。
繁忙期こそ無理するのが危険。仕事のミスにつながる
生理による体調不良は繁忙期に関係なくやってきます。
鎮痛剤で朦朧としている中で仕事をしたり、眠気や吐き気を我慢して仕事をすると、ミスの危険が高まります。
生理休暇の条件に「生理日の就業が著しく困難」という文言がありますが、通常時と同じ労務提供できない状況であれば休んでも良いと思います。
毎月３日生理休暇を取得し続けるなら病院にかかるなど、対策を講じる必要あると思いますが、数か月に１度、仕事量と体調のバランスが合わずに苦しいときは休むべきです。
体調悪そうにしながら仕事を行っていたら、周囲はあなたの体調も、仕事の進み具合も心配しなければなりません。
しっかり休んで切り替えたほうが周りのためにもなります。
繁忙期はあなた一人にやってくるものではありません。部署や店舗、全社が繁忙期になるはずです。
つらいと思ったら、半日でも生理休暇を取って、翌日良いパフォーマンスできるように勤めたほうが生産性が上がりますよ。
周りの目が気になる人は、日ごろから信頼できる先輩女性社員や女性の同僚に生理がツライこと、出勤できない日があるかもしれないことを、それとなく伝えておきましょう。
万が一上司が生理休暇に文句や疑いをかけてきたとしても、周りの女性社員があなたの立場を守ってくれて、生理休暇を使う必要があると証言してくれるでしょう。
生理周期や、生理期間、いつから生理痛がつらいのかなどなど、自分のプライバシーを何から何まで明らかにする必要はありません。
ただ単に生理休暇取得なら、自分の事情を少し伝えておいた方が、周囲からの共感も協力も得やすいことは確かです。
生理休暇→年次有給休暇を消化するのも手！
先に述べた通り、休んだり、早退、遅刻する理由として生理を理由にすることは法律上もOKです。ですが、法律では生理休暇は無給でもよいとされています。
福利厚生が充実した会社では有休の生理休暇制度がある場合があります。
1か月1日までなら生理休暇は有給、それを超えたら無給、というようにルールを定めていることもありますよ。ちなみに、中小企業ではほとんどが無給です。
「無給の生理休暇を取って、給料減るなら休まないで働くよ…。」と思う方もいるでしょう。安心してください。
あなたが年次有給休暇を持っていたら、生理休暇という理由で年次有休休暇を消費することも可能です。
生理痛が酷くて休むのを連絡する際に、下記の様に相談してみましょう。
「めまいと腹痛で、申し訳ないのですが本日、生理休暇を取得したいんです…。生理休暇だと給料カットされちゃうと聞いたので、欠勤理由は生理休暇なんですが、残っている有休を使いたいのですが…。」
上司が判断できなかったら、総務や人事に確認してもらうようお願いするのです。
有休は理由が何であれ、取得することができます。
有休休暇は何日前までと事前申請が必要な場合がありますが、生理休暇は当日の申し出でも休暇を与えなければならないとされています。
あなたが相当の頻度で生理休暇を使う場合や、相当ブラックな会社でない限り、当日申請の無給の生理休暇を年次有給休暇に振り替えることは許可されるでしょう。
休むのが申し訳ないから欠勤減額でいいなんて謙虚になりすぎず、当然の権利を行使しましょう。
生理休暇を有休休暇に振り替えない場合、企業の言い訳として、年次有給休暇の「時季変更権」を主張する場合があります。これは、会社は事業の事業の正常な運営を妨げる場合に有休休暇を別の日付に変更することができるというルールです。
無給の生理休暇なら認めるけど有休休暇にするなら、繁忙期なので時季変更権を使って有休を別の日に変更するという考えです。
そこまで有休取得にとやかく言う会社は、ブラック企業な雰囲気があります。今の会社にいることが幸せか考えてみたほうがいいかもしれません。
男性の上司に生理休暇と言いづらいときの心構え
とはいっても生理のない男性に生理休暇って言いづらいですよね。
男性社員みんなこの漫画読めばいいのに…。
しかし、生理がない男性だからこそ、具体的な辛さが分からないので心配してくれますし、ハラスメントを心配して深く突っ込んできません。
繁忙期に休もうとしたら、嫌な顔されることが多いですが生理休暇なら仕方がないと理解してくれます。
「繁忙期に申し訳ありません」と配慮の一言をきちんと伝え、ありがたく休暇を取得しましょう。
もう一つの配慮として、生理休暇が必要理由（症状）を伝えると、ズル休みでないと上司も安心します。
そこまで体調不良でなくても、「めまい」「腹痛」「吐き気」「頭痛」「節々の痛み」など症状を伝えて生理休暇を申請すべきです。
男性上司は「どんな症状なの？」とは聞きにくいので聞かれる前に、生理休暇が必要な具合の悪さを答えるのがマナーです。
男性上司によっては最大限の配慮のつもりで、「生理休暇だから、復帰したら気を使ってあげてね！」と言い広めてしまう人がいます。
配慮の仕方が分からない男性上司に対しては
「生理休暇とみんなに知られるのは恥ずかしいので、急な体調不良と職場の皆さんには伝えてもらえませんか？」
と、どう対応してほしいのかもきちんと伝えましょう。伝えればあなたの希望する配慮をしてくれます。
万が一、上司が生理休暇を言いふらしたり、「生理前だからイライラしてるんでしょ～」とか揶揄する人がいれば、それはセクハラです。
性的なことへのプライバシーの侵害による就業環境の悪化という、厚生労働省が定義する「環境型のセクシャルハラスメント」に該当します。
会社で生理休暇が取れず、取れても嫌がらせ行為があるようなつらい環境のまま我慢するのは自分を傷つけることです。
ハラスメントは断固拒否し毅然とした対応を取るか、そんなモラルの低い職場は見捨てるべきです。
嘘の生理休暇は懲戒処分の危険あり
生理休暇は当然の権利ですが、欠勤は少なからず職場の仲間の負担を増やすものです。
生理休暇なのに、外出して遊びにいっちゃった！ということなないように、生理痛を和らげる＆繁忙期の疲れを取るためいつも以上に眠ったり休んだりする時間にあてましょう。
過去に嘘の生理休暇取得する人がいた会社では、「人事部署が生理休暇日に本人に電話をかけて、本当に家で休んでいるのか確認してきた」という例がありました。
会社を騙す嘘の生理休暇取得はダメです。
嘘の生理休暇取得は懲戒処分の可能性があります。
もしも生理休暇日に会社から電話が来て、すぐに電話に出られなかったら必ず折り返し電話をしましょう。
すぐに電話に出られなかった理由をちゃんと説明してください。「鎮痛剤を飲んで眠っていて着信に気づけませんでした」とか「病院の待合室にいて電話に出られませんでした」とその日のうちに弁明しましょう。
PMSで生理休暇は取得できるの？
生理痛と同様にいつツライ症状が出るのか分からず、症状が重症になるかどうかも月によって異なる点で、PMS（月経前症候群）も事前に有給申請するのが難しいですよね。
できれば生理休暇を申請したいことろです。
しかし、PMSの時も生理休暇を取得できるかどうか？は法律や判例、通達などで明確な基準は出ていません。
医学的には、生理（月経）とPMS（月経前症候群）は違うもの解釈されているようです。
実務的には、生理とPMSは関連があるので、広い意味で生理休暇としても良いという考えもあります。
PMSによる生理休暇取得については会社ごとの判断になるので、会社に相談するしかありません。
個人的には、どうしてもツライときにPMSでも生理休暇を申請してもいいのでは？と思っています。
多分この記事を読んでくれているあなたは、ツラくても中々休む決心できず悩んでいる方だと思います。
たった1回生理休暇を取得するなら、理由が生理痛でもPMSでもバレることはありません。
毎月定期的にPMSで休みが必要なら、会社に相談すべきです。しかし1回だけ今どうしても休みたいなら、PMSでも生理休暇を取ってほしいです。
無理して働いて婦人科系の病気の発覚が遅れることがあるので、どうか自分の体を大切にしてください。
なお、生理痛とPMSで間をおいて月に3日も生理休暇を取得するなら、「生理休暇なのになんで1か月のうちに日を開けて休んでいるの？」と聞かれるので注意しましょう。
まとめ
繁忙期に生理痛を放置してはいけません。
つらいときはしっかり休んで回復してから、仕事に取り組んだ方が集中できて効率も良いです。頑張りすぎてしまう人は、生理休暇を活用しパンクする前に休息をしっかりとりましょう。
ちょっとした気遣いでストレス少なく生理休暇が取れます。
あなたが言いにくいのであれば、同じように、男性上司は対応しづらいのが生理休暇です。気まずさがお互いにあることを忘れないようにしたいですね。
職場は持ちつ持たれつです。
休んだ分のお返しを親切や仕事のアシストなどの形で還元すれば、みんな気分よく仕事ができますよ！
最後まで読んで下さりありがとうございました。今日も一日お疲れさまでした！
