残業しないで退社したら、後で職場で悪口を言われていた。
ちゃんと仕事を終わらせたのになぜ残業しないだけで攻められるんだろう?
職場で理不尽だと思ったときにどうしたらいいか考えてみました。
残業しないで退社するのはいけないこと?
残業するのが当たり前の組織では、定時退勤することが悪者扱いされることがあります。協調性なく定時退勤することは悪いことなのでしょうか?
残業命令がなければ、定時で帰るのが正しい!
会社・上司から残業するよう指示がなければ、定時ピッタリに退勤することが正しいです。
残業すると、時間外労働手当があなたに支払われます。
会社は、残業をさせることでコストが発生します。
従業員が好き勝手に残業すると時間外労働手当の支払いに収拾がつかなくなるため、本来は時間内にきっちり働いて定時退勤が正しい働き方なのです。
そのため就業規則では、指示命令以外の残業を規制していることも多いです。
(就業規則の例)
会社は、業務上の必要がある場合、時間外労働を命ずることがある。
やむを得ず時間外労働が必要な場合、従業員は事前に所属長に申し出て時間外労働の許可を得なければならない。従業員は許可なく時間外労働をしてはならない。
本来は、空気を読んで残業すること自体、就業規則と一致しないおかしな状態であることが多いです。
なお、「許可を得ず残業したから時間外労働手当は支給しない」というのは、違法であることがほとんどです。搾取されていないか気を付けて確認しましょう。
残業は36協定の範囲で納めなければ違法!
残業するためには、毎年、会社と従業員の間で「時間外・休日労働に関する協定届(通称36協定)」を結んで、1日・月間・年間の残業時間の上限を定める必要があります。
36協定は、従業員に周知する必要があり、非公開になっているものは無効になります。その職場で残業させた場合は残業させること自体が違法になってしまいます。
また、36協定では残業をさせる具体的な理由を定め、それ以外の理由で残業をさせてはならないと決められています。
残業させることについてそれだけ、法律上厳重に管理されているのです。
空気を読んで残業すべきなどという職場は重大なコンプライアンス違反を犯しています。
また、会社はきちんと管理体制を作っていても、あなたの直属の上司が正しい労務知識を持っておらず運用が間違っていることもあります。
上司や先輩が空気を読んだ残業を求めるならば、直ちに本部やもっと上の上司に相談すべきです。
残業指示があれば残業しなければならない
逆に言えば、36協定の範囲内で、明確な残業指示がある場合は指示に従わなければなりません。
つい反発して
「え~、この仕事ってじゃなきゃダメなんですかぁ?」
「残業命令何てパワハラじゃないですか?」
「(残業命令を無視して)お疲れ様です。お先に失礼します」
などと残業の業務命令に従わないと、就業規則の懲戒理由に該当する可能性があります。
残業命令無視については、就業規則の懲戒理由に「業務上の指揮命令に従わないとき」などと定められている場合罰せられても文句が言えません。
残業は適切な指示命令であれば、拒否できないので勘違いしないよう気を付けましょう。
定時退勤に対して悪口を言われた時の対処法
残業しないことに対して、陰で文句を言われるとイヤな気持になります。
悪口を言われたときどう対処するのがいいのでしょうか?
残業するしないで議論するだけムダ
残業しない人に悪口を言うような職場で、定時退勤が正しいということを説明しても無駄です。
残念ながら、残業するのが正しいと思っている人が定時退勤を認めることはありません。
今までその人自身が残業して社内で認められてきた経緯があることが多いです。
その人にとって、残業を否定されることは今までの社会人経験を否定されたと感じてしまうのです。
同僚:「●●さん、残業しないで定時退勤って社会人としてあり得ないよね。空気読めよ。」
と悪口言われたとしても
あなた:「(完全無視)お先に失礼しまーす。」
残業派の悪口は無視して帰りましょう。
しかし、あまりに悪口がひどい場合は、パワハラの可能性もあるので、はやめに社内の相談窓口に相談しましょう。
残業命令を無視したのではなく、空気を読んで残業しないことへの悪口は我慢する必要はありません。
残業なら明確に指示をもらおう
タチが悪いのは、残業するのが正しいという職場でも、自分の意志で残業する分については時間外労働手当が出ないことがあることです。
もちろん、空気を読んだ残業であってもきちんと仕事をしていれば時間外労働手当はもらえます。
あいまいな指示で残業させられないように、明確な残業の指示をもらうことが大切です。
上司:「この仕事は今日中に終わらせてほしいんだよね~」
あなた:「この分量だと、終業時刻までに終われません。明日の午前中までなら完了できます。」
上司:「上司の頼みだよ~、勤続何年目?ちょっとは空気読んでよ~」
あなた:「残業命令としてのご指示としておっしゃってください。残業代の出ない業務になるのは困るのですが…」
上司にとって、きちんと指示するのは意外と気おくれするものです。
残業代というコストをかけてまで、やらせなきゃいけない業務なのか?と考えるようになります。
粘り強く残業の確認指示をもらうことで、だんだん残業命令が少なくなってくる可能性があるでしょう。
ただ、残業をさせにくい人ということで、あなたが使い勝手の悪い社員レッテルを張られ職場で冷遇されるケースもあります。
待遇と居心地ともに悪いと思うようになったら、その職場を辞めて次のステップに進んだ方がいいかもしれません。
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何か手伝いますか?は言わなきゃダメ?
残業しないで悪口を言われるケースに「何か手伝いますか?って聞くのが社会人の常識だよね」と追われることがあります。
仕事を手伝うかどうかは聞かなければいけないのでしょうか?
独り立ちして仕事をしているなら不要
入社して1年以上経ち、独り立ちして仕事をしているならお手伝いのお伺いをする必要はないです。
新人ならともかく、独り立ちしているなら残業して手伝いをお伺い立てる必要はありません。
手伝いを申し出るべきか否かケース別にまとめます。
「何か業務を手伝いますか?」と聞いた方がいいケース
- 相手の進捗遅れが、あなたの業務に悪影響を及ぼすとき
- 部署全体が繁忙期でみんながピリピリしているとき
- あなたの業務に余裕があって、相手がとても忙しそうなとき
自分の業務を終え、上司から残業命令がない場合は退勤していいです。
しかし働く仲間の状況を気に掛ける協調性は大切なので、気づけたら残業し手伝いの申し出をする
あなたに余裕がある かつ 助けてあげたほうがいい状況の人
両方が成立した場合は、上司から手伝いのための残業指示を出してもらい残業で協力してあげましょう。
「何か業務を手伝いますか?」と聞く必要のないケース
- 定時で帰ることに否定的な人がいるため、仕方なく、声掛け
- 仕事の効率が悪く、業務改善の努力をしていない人への声掛け
- あなたが自分の残業を終えた後に、まだ残っている人への声掛け
逆に、残業ありきの仕事をしている人や、部署内が帰りにくい状況だから何となく残っているという状況ならば、お伺いを立てる必要はありません。
自分の仕事をやり遂げた かつ 助ける必要のない人
という状況ならば、手伝いますか?と空気を読む必要はありません。
さぼっている人でも誰でも助けるのは協調性ではなく、尻ぬぐいです。不出来な人の尻ぬぐいは上司の仕事で、あなたがやるべきことではありません。
朝一番に手伝いが必要か確認するのがGOOD!
とはいっても、同調圧力がすごくて、手伝いますか?を聞かないと帰れない職場もあります。
夕方自分の仕事をほぼ片づけて、定時退勤のめどが立った後に、残業して誰かの仕事を手伝うのは、本当にしんどいです。
だから、「手伝いが必要ですか?」は朝のミーティングの際に聞いてしまいましょう。
あなた:「今日は●●と●●の業務を行います。この業務で1日が終わる段取りですが、優先して先にお手伝いが必要な業務はありますか?」
上司:「いや、今のところ大丈夫かな~??」
あなた:「はい、ではお手伝いが必要な業務があれば、明日行いますね。」
こんな感じでOKです。
朝のミーティング時点で1日の業務予定が決まっていないのはおかしいです。
「夕方に改めて確認して」とか、退勤前に「やっぱり残業して」と言ってくるのはプレイヤーとしてもマネージャーとしてもかなり無能な上司です。
段取り上手なあなたを管理することができない人なので、あなたが残業しないことに悪口を言われても、助けてくれないし、きっと上司も一緒になって悪口を言っているでしょう。
不出来な上司の元では、残業体質は変わりません。部署異動を申し出し上司が変わるための行動が必要です。
残業しないことを責められる職場は正常ではない
残業が当たり前の職場にずっといると、定時退勤が悪いことだと勘違いするかもしれません。
しかし残業しないで退勤することを責められるのは、異常なことです。
残業を美学とする職場は変わらない
残業が当たり前な職場では、どれだけ残業したかを美学のように語る先輩たちがいます。
代々、残業して認められてきた人だけが出世、ひいきされる職場ならその環境は変わりません。
残業しない方が楽でも、今更働き方を変えられないのです。
残業しないことが評価される職場になったら、今まで残業で評価されてきた先輩たちは、一気に無能になってしまう恐怖があります。
保身のため、変化を恐れるため、ベテラン従業員から自発的に残業を減らすことはありません。会社の方針として残業禁止するくらいじゃないと、風土は変わりません。
現状、残業してうまく回っている職場なら、会社が残業禁止の方針を出すことはあり得ないことです。
残業しないあなたが異端児として、悪口を言われることは変わらないでしょう。
定時退勤で悪口を言われる会社は時代遅れ
しかし、世の中は働き方改革が進み、残業が当たり前な職場は時代遅れなことです。
あなたは、残業をしたくないなら絶対にあきらめてはだめです。
- 業務効率化のために、Excelを勉強する
- 過重な業務を任されていたら、平準化を上司と相談する
- 残業しないことに悪口を言われたら、相談窓口に通報する
- 人手不足でいつまでも残業が減らないなら、転職する
残業しないためにできることはたくさんあります。
残業しないあなたに悪口を言う人には、定時退勤でもきちんと仕事を終えられる姿を見せ続けるしかありません。
残業する人より、定時で仕事を終わらせる人の方が間違いなく能力は上です。自信を持ってください。
これからの新入社員はどんどん残業しないのが当たり前の世代になっていきます。
残業が当たり前の職場は、どんどん人手不足に困るようになり、荷重業務でどんどん退職者が出て、業務継続できなくなり淘汰されていくでしょう。
残業しないことに悪口を言われるならば、定時退勤が当たり前の職場に転職するのが一番の解決策です。
あなたの中で、残業しないことへの優先順位が高ければ、十分転職する理由になります。
まとめ
残業しないことに対して悪口を言われる職場はおかしいです。
きちんと仕事をしているなら、残業せず帰ることに罪悪感を持つ必要はありません。
残業せず、これからものびのび働いてください!
\まずは自分の価値を確認しよう/
最後までお読みいただきありがとうございました。今日も一日お疲れさまでした!