インフルエンザの季節がやってきました。
インフルエンザに罹ったとき、自動的に有給休暇が使われる会社の制度に違和感を感じたことはありませんか？
インフルエンザに罹ったときの休みの取り扱いについて事前に確認しておきましょう。
- インフルエンザは有休？特別休暇？
- インフルエンザで有休を使いたくない！
- インフルエンザなのに出勤命令ってアリ？
- 休んだことで上司に文句を言われたら
インフルエンザで休んだ時の会社の対応に不安がある方は、ぜひ以下確認ください！
インフルエンザで休むのは有給？特別休暇？
実は法律上、会社員のインフルエンザ出勤停止は義務化されていません。
インフルエンザの場合、風邪で休む時と同様に、体調不良の期間は休んでよいというのが原則です。
理由は、会社には社員に対して「安全配慮義務」があるからです。「インフルエンザがうつりやすいから」という理由ではありません。
体調がよくなったらその日が出勤する日です。熱が引いた翌日までは出勤してはいけないなどの法律上の定めはありません。
インフルエンザに罹った場合の休みがどうなるかは会社の「就業規則」に書いてあります。
特別休暇の種類に慶弔休暇の他に、「インフルエンザ休暇」があれば、年次有給休暇は減らず、休むことができます。
インフルエンザ休暇により欠勤減額されず、お休みすることができるため、有給休暇を使うよりもお得です。
有給休暇を使うよう命令し、インフルエンザ休暇を使わせてもらえないというのは、法律違反です。
特別休暇は特定の理由でなければ使えません。特別休暇を使える理由があるのに特別休暇を拒否されるのは、会社があなたの権利を奪っていることになります。
まれに、特別休暇の条件に「有給休暇が残っていない人に対してインフルエンザ休暇を与える」という文言があります。
有給休暇がない人に対する特例としてインフルエンザ休暇がある場合は、有給休暇を先に使わなければなりません。
2019年から働き方改革の一環で「年次有給休暇の年5日消化義務」がスタートしました。有休を5日使わせるために特別休暇を取らせないようにするブラック企業があるかもしれません。それは法律違反なのでおかしいと思ったら必ず確認しましょう！
中小企業の場合、インフルエンザ休暇がないことが多いです。
インフルエンザ休暇がない場合は、インフルエンザで欠勤する分を、年次有給休暇でカバーすることになります。
会社によっては、当日欠勤の場合は有給が使えない場合がありますが、流行性のインフルエンザなら大抵の会社が有休処理してくれます。
当日欠勤の有休処理のため、「医師の診断書」の提出を求められることがあります。
しかし、厚生労働省は、医療機関の負担を抑えるためインフルエンザの診断書提出は望ましくないとしています。
「インフルエンザなの？」と疑われた時は、薬の処方箋を見せて、インフルエンザの診断書の代用とできるように交渉しましょう。
そもそも、インフルエンザを疑う上司なんて、信頼できないから一緒に働きたくないですけどね…。
インフルエンザでも有給休暇を強制されるの嫌だ！
インフルエンザだからって、自分の有給休暇を強制取得されるのが嫌な時ってありますよね。例えば…。
- 他に有休を使う予定が決まっているとき
- 有休の残りが少ないとき
- 次の有休付与まで間が空いているとき
「海外旅行に行くのに残しておいた有休をインフルエンザで使いたくない！」とか「あと2日しかない有休は夏まで取っておきたい！」など人によって理由はあると思います。
インフルエンザで休む場合、有給休暇を強制されることはありません。有休消化が嫌なら断っていいです。
インフルエンザで休んだ分を有休消化すると、給料は欠勤減額されず全額支給されます。
給与を減らされないために、思いやりから有休消化を強制することはあり得ます。
インフルエンザで休んだ分、もしも有休を使わなかったら、欠勤減額されて給料が少なくなってしまいます。
メリットもあり欠勤減額されても、有給休暇は残ります。つまり別の休みたいときに自由に休む権利は残ったままになります。
有休を残しておきたいときは、「インフルエンザで休んだ日は、有給休暇を使わず欠勤減額にしてください。」とはっきり言いましょう。
理由を聞かれたら「有給休暇を残しておいて別のタイミングで使えるようにしておきたいからです。」と言いましょう。
もしかしたら、給与計算をしている総務の人が、欠勤減額の計算が面倒くさがって有休消化の圧力をかけてくるかもしれません。
全く気にせず、「インフルエンザで有休消化しません！」と言い切って大丈夫です。有休消化はあなたの権利です。モヤモヤせず自由に使いましょう！
熱が下がったら出勤命令が！いつまで休めるの？
インフルエンザに罹ったとき疑問に思うのが「インフルエンザって会社を何日休めるの？」ということです。
厚生労働省では、発症前日から、発症後3～7日間は鼻やのどからウイルスを出すと発表しており、うつさないようマスク着用などの配慮を求めています。
しかし、インフルエンザによる出勤停止や外出停止の期間は定められておらず、本人の判断に任せられています。
一般的に、インフルエンザ発症前日から発症後3～7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれています。そのためにウイルスを排出している間は、外出を控える必要があります。
排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出するといわれています。排出期間の長さには個人差がありますが、咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、不織布製マスクを着用する等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。 【出典】インフルエンザQ＆A 厚生労働省HPより（https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html）
なお、インフルエンザの1週間休みルールは聞いたことがあるかもしれませんが、1週間ルールは学校のルールです。
学校保健安全法（昭和33年法律第56号）は下記の通り
- 発症した後5日を経過し、かつ、
- 解熱した後2日（幼児にあっては、3日）を経過するまで
をインフルエンザによる出席停止期間としています。
なお、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではないです。
医療機関などにお勤めの場合は、学校のルールを用いる会社もあるかもしれません。
逆に、「軽度なインフルエンザなら3日休めば出社」と言うルールも問題ないので休みが短いからと言って、ブラック企業になるわけではありません。
もちろん、発症から3日しか経過していないと、感染力がある時期なので職場の安全衛生を守るため休んだ方が良いことは確かです。
- 熱がなければインフルエンザでも出社
- 薬が効いていて、動けるなら出社
- 仕事があるなら点滴うってでも出社
- インフルエンザで家で寝ていても会社からの電話は絶対に出ること
など、病人に無理をさせるようなルールの場合は、そもそも常識的にアウトです。
このような会社にお勤めの場合は、さっさと見切りをつけたほうがいいでしょう…。
インフルエンザ休暇で上司から嫌味を言われた
インフルエンザに罹ったときに上司から嫌味を言われることってありますよね。
特に年末年始はインフルエンザの流行期かつ会社の繁忙期であることも多く、繁忙期にインフルエンザに罹ると、申し訳ない気持ちになります。
そんな時に上司から「予防接種を受けないかインフルエンザに罹るんだよ！」とか
「自己管理ができていない！」とか
「周りにどれだけ迷惑かけてるか分かってるの？」とか
「繁忙期なんだから、這ってでも出勤して！」とか
「あなたがインフルエンザを社内で流行らせた諸悪の根源よ」とか
「繁忙期の欠勤だから、賞与査定マイナスつけますね」
とか心無い言葉を投げかけられたら、もう会社に行きたくないですよね。
日本ではこんなにインフルエンザが流行しているから、かかるのも仕方がないことだと言ってやりたいですが、上司の気持ちを逆なでするだけです。
インフルエンザで休んだことで嫌味を言われても、聞き流す以外方法はありません。
繁忙期にインフルエンザで休んだからといって、懲戒処分にはなりません。
仕事が増えてイライラした上司の八つ当たりだと思って、精いっぱい申し訳ない顔して受け流しましょう。上司の言葉に傷つくのは無駄です。
繁忙期にインフルエンザに罹った人は、仕事のことはいったん忘れて治療に専念してください。
仕事のことを申し訳なく思ってもインフルエンザは治らないし、仕事を代わってくれた人の負担も減りません。
自分のことを責めず、嫌味な上司は無視して、助けてくれる職場の仲間に感謝しましょう。
ほかの人がインフルエンザに罹ったとき、「仕事のことはいいから、お大事になさってください。」と言える人であることが、嫌味な上司に対する、最大限の嫌味返しでしょう。
インフル予防でマスクを着ける際はこちらの記事もぜひご参考に↓
まとめ
今年のインフルエンザは流行の開始が早いようです。
日本に外国人観光客が増え様々な国からインフルエンザ菌が入り込んでいることも、原因の一つの様です。
どんなに予防しても防ぎきれないのがインフルエンザです。インフルエンザに罹ったら、有休休暇を使って休みましょう！
自分がインフルエンザに罹ったら、十分に回復するまでしっかり休み、ほかの人がインフルエンザに罹ったら、十分に休ませてあげられる、そんな職場が当たり前ならいいですね。なかなか難しいですが…。
最後まで読んで下さりありがとうございました。今日も一日お疲れさまでした！
