今年は、会社の業績が悪いから賞与が出ないかもしれない…!社内でそんなウワサが出るとドキッとしますよね。
業績によって賞与が出ないことってあり得るのでしょうか?まとめてみました。
- 業績により賞与が出ないことがある
- 就業規則に賞与のルールが書いてある
- 査定によって賞与が減ることがある
賞与がもらえるか不安な方は以下ご確認ください。
【悲報】雇用を守るため賞与が出ないことがある
賞与が出るかどうかは、賃金規程の「賞与」でどのように賞与が支給されるのかにより定められています。
しかし、今回新型コロナウイルスの影響で、賞与を支給する原資が全く無くそれ以前に経営状況の悪化が酷く、
- 会社の倒産の可能性がある
- 会社の業務縮小(部門の統廃合)の可能性がある
- 解雇(リストラ)や雇止めの可能性がある
などの会社の存続が危機的な状況だと、賞与規程の定めにかかわらず雇用維持のためやむを得ず賞与が支給されないことがあります。
賞与を無理に支給して会社が倒産してしまっては元も子もない、ということです。
賞与不支給とせざるを得ない危機的状況なのか、会社からきちんと説明が必要する義務があるので、あっさり「今年は賞与でないよ~」と済まされそうなら、きちんと説明してもらいましょう。
賞与のことは「賃金規程」に書いてある!
ボーナスのことは賃金規程の「賞与」の項目に定められています。賞与をどのように定めているか規程を確認してみましょう。
賃金規程
第●条(賞与) 賞与は、会社の業績と従業員の勤務成績に基づいて各人ごと個別に決定する。原則として毎年、6月及び12月に支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由がある場合には、支給しないこともある。
このように「業績の著しい低下等で賞与を支給しないことがある」と定めている規定の場合、賞与の減額・賞与が支給されない可能性があります。
業績が悪化し賞与の原資がない場合は、賃金規程に定められているので、賞与が支給されなくても法律違反にはなりません。
今まで毎年夏も冬も賞与が支給されていた前例があったとしても、「今年は、コロナの影響で業績が悪く賞与の支給は見合わせることになりました」と言われても不法だと抵抗することはできません。
また、業績悪化はマイナス●%以上から賞与を支払わないという定めはなく、経営判断で、業績悪化による賞与不支給を決めることができます。
業績に左右されず賞与が出る場合
一方で、賞与の支給が約束されている賃金規程もあります。
たとえ業績が悪くても賞与の支給額が規定で決められていたら、原則その額を減額することはできません。
医療機関や介護施設などで基本給を基準として支給しているケースが多く、下記のように内容が公表されている場合もあります。
賃金規程の例
第●条(賞与)賞与は算定期間に在職し、賞与支給日に現に勤務する者に対し下表のとおり支給する。
賞与支給月 算定期間 賞与額 6月(夏季賞与) 12月~5月 (基本給)×1 12月(冬季賞与) 6月~11月 (基本給)×1.5
この規定例のように
- 業績により賞与が変動すると定められていない
- 「賞与=基本給×支給率」など明確な賞与支給基準が定められている
2つを満たす賞与規程の場合は、業績悪化を理由に何の説明もなく賞与を0円にすることは出来ません。
上記の規定の他、年俸制で採用された場合、年俸を14.5で割って、賞与を月給の2.5か月分として支給を約束する制度もあります。
年俸契約の場合、業績に左右されず契約通り賞与を受け取る権利があります。
もしも年俸制の人が賞与支給されないなら、厳密には契約を取り交わす必要があります。
決算賞与は業績に左右される!
会社によっては「決算賞与」が支給されるところもあります。業績による成果配分として夏・冬賞与の他に、業績反映の決算賞与が出るケースです。
賃金規程
第●条(決算賞与)会社は、業績に応じて毎年7月に決算賞与を支給することがある。決算賞与を支給する場合は6月末までに賞与額を決定し通知する。
決算賞与は、業績に応じて支給不支給を決めるので、経営状況が悪化しているから支給しないという判断はよくあります。
労働者の立場では、「そんなに業績悪くないはずだから決算賞与を出すべきだ!」と主張することは出来ません。
業績は現時点で悪化していなくても、今後悪化が見込まれるから支給しないという経営判断により、賞与が支給されなくても法律違反ではありません。
査定によっては賞与が減るかも
評価制度がきちんとある会社では、査定によって賞与を支給する場合があります。
査定が悪くても賞与が0円になることはめったにありません。
経営状況が悪化しても、評価のルールは原則変更されないので、賞与をたくさんもらうには査定で評価されるよう頑張る必要があります。
新型コロナウイルスで外出自粛で営業できず、営業成績が低下した場合、
- コロナのせいで仕事ができなかった救済措置あり
- コロナのせいなのは分かるが、結果主義で救済制度なし
どちらでも法律上NGではありません。
コロナのせいで営業成績などがイマイチだった場合は賞与が減るのも覚悟しなければならないでしょう。つらい世の中です。
また下記のように、賞与用の査定結果をポイント制にしてポイント数によって賞与が決まる会社もあります。
賃金規程
第●条(賞与) 賞与は、賞与算定期間の勤務態度や営業成績、会社への貢献度を総合的に査定し、DランクからSランクまで等級付けする。等級と役職、勤続年数をそれぞれポイントにしてその総合ポイントに応じて支給する。
この制度だと、会社が用意した賞与の原資が少なくなると、どれだけポイントを稼いでも賞与が減ってしまうことがあります。
【ポイント制賞与の考え方】
会社が用意した賞与の原資(賞与の全員総額)÷会社全員の評価ポイント=1ポイント当たりの単価
- あなたの査定ポイント×1ポイント単価=あなたの賞与額
あなたが頑張って、査定ポイントをたくさん得たとしても、ポイントの単価が1000円の時と500円のときでは、努力に関係なく単価が低い時の方が賞与は少なくなってしまいます。
賞与の原資が少ない時は、評価されても賞与額はあまり上がらないことを承知しておきましょう。
まとめ
新型コロナウイルスの影響で賞与が出るかどうか不安なところですが、雇用を守るためにやむを得ず賞与ストップの可能性があることを心得ておきましょう。
賞与額が賃金規程に明確に定められている場合を除き、業績により賞与額が変動することはやむを得ないのです。
早くコロナのパニックが収まり、正常な社会生活が戻ることこそ賞与復活の第一歩ですね。
最後まで読んで下さりありがとうございありがとうございました。今日も一日お疲れさまでした。