毎年、最低賃金の改定についてニュースになりますよね。自分の給料は最低賃金を超えているのだろうか？と考えたことはありませんか？
月給の人の最低賃金の計算方法をご紹介します。
時給換算が必要！最低賃金の計算方法
都道府県ごとと特定の産業ごとに、最低賃金はすべて時給で決められます。
最低賃金を確認するとき、月給で給料をもらっている人は月給を時給に換算して、最低賃金を満たしているかチェックします。
月給の人の時給の計算方法は下記の通り↓
- 月給÷1か月平均所定労働時間≧最低賃金額（時間額）
では、次から平均所定労働時間の計算方法をまとめてみます。
1か月の平均所定労働時間の出し方
最低賃金を計算するために必要な1か月の平均所定労働時間を出すために、4つのプロセスを踏みます。
- 1年間の休日数 あなたの会社の年間の休みの数のことです。土日だけが休みなら、「土曜と日曜の2日×1年間の週数５２週＝１０２日」があなたの年間の休日数です。自分の会社休日数がよくわからない…。という人は、会社の求人の年間休日数を見るのが一番早くて確実です。今回は例として、年間休日数を１２０日とします。
- 年間所定労働日数 あなたの会社の年間の労働日のことです。「１年間365日－１年間の休日数＝1年間所定労働日数」で計算します。今回の例では３６５日－１２０日＝２４５日が年間所定労働日数になります。
- １か月の平均所定労働日数 あなたの会社の１か月平均の労働日数です。「年間所定労働日数÷１２か月」で計算します。今回の例では２４５日÷12＝20.4日が平均所定労働日数です。
- 1日の所定労働時間 あなたの1日の労働時間のことです。例えば、９：００～1８：００で休憩1時間の時、「終業18時ー始業9時－休憩1時間＝8時間」8時間が1日の所定労働時間です。
- 1か月の平均所定労働時間＝1日の所定労働時間×1か月の平均所定労働日数
①～④までで、材料はそろいました。
1か月の平均所定労働時間＝8時間×20.4日＝163.2時間 になります！
あなたも、まずは1か月の平均所定労働時間を把握しましょう！
月給の給料が最低賃金を満たすか確認する方法
1か月の所定労働時間の計算、お疲れ様です。労働時間さえわかればもう最低賃金の計算はすぐそこです！
最低賃金＝基本給の金額ではありません。
実は、最低賃金を計算するときの月給とは、基本給と諸手当の合計した金額です。諸手当の中に、最低賃金計算時に含めないものが定められています。
月給の最低賃金を計算するときに計算に含めない賃金は下記の通りです。
- 結婚手当など、臨時に支払われる賃金
- 賞与など、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
- 時間外割増賃金など、所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
- 休日割増賃金など、所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金
- 深夜割増賃金など、午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
- 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
1～6以外の給料は最低賃金に該当します。
例えば、基本給が10万円でもほかの手当がたくさん支給されていれば最低賃金をクリアしている場合があります。
具体的には、基本給100,000円 役職手当5,000円 調整手当63,000円 通勤手当8,200円 時間外労働手当 19,301円 総支給額195,501円 の時を考えてみましょう。
今回、最低賃金の計算から除外するのは、③に該当する時間外労働手当19,301円と⑥に該当する通勤手当8,200円です。
最低賃金計算に該当する月給＝基本給100,000円 役職手当5,000円 調整手当63,000円＝合計168,000円です。168,000円が最低賃金を計算するときの月給になります。
そこで、最初に出てきた、月給の人の時給換算方法の式にあてはめます。
- 月給÷1か月平均所定労働時間≧最低賃金額（時間額）
例を当てはめると、168,000円÷163.2時間＝時給1,029円 になります。
計算した結果が、あなたが働く会社の所在地の最低賃金と一致するかを確かめてください。
最低賃金はこちら↓
月給を時給に直す計算してみて、意外と時給が安いと凹むことがあります。
時給はボーナスを含まないので、年収トータルで見るとそんなに給料水準が悪くないこともあります。あまり悲観しないでください。
自分の年代・職種・スキルでどれくらい年収が得られるか気になった場合、年収を診断してくれるサイトがあります。転職サイトの
ミイダスです。この計算で今の職場の給料が妥当なのか参考にしていただければ幸いです。
本社と支社、どちらの最低賃金が適用されるの？
最低賃金は都道府県ごとに決められます。本社と勤務地が異なる場合はどこの最低賃金が適用されるのでしょうか？
最低賃金は、勤務地の最低賃金が適用されます。よく、自分の住んでいる住所の最低賃金が適用されると勘違いする方いますが、地域は勤務地を基準にしているのでご注意ください。
本社の方が最低賃金高いのに…。と思う方は残念ですが、本社所在地の最低賃金以下でも勤務地の最低賃金を満たしていれば、違法ではありません。
計算してみて、最低賃金以下の月給だったら、最低賃金以下の不足している分の賃金を会社に請求することができます。
話し合いで解決できなかったらお近くの労働基準監督署に相談してみましょう。都道府県ごとの労働基準監督署の連絡先はこちら↓
まとめ
給料が安いな、と思う人はちょっと面倒ですが、最低賃金を計算してみましょう。
万が一最低賃金を下回っていたら、似たような労働条件で働いている人と連携しながら会社に話してみましょう。
会社が悪意を持って最低賃金以下の給料を支払っていたのではなく、単純に最低賃金を下回っていたことに気づいていない場合もあります。
月給を時給に換算したら思ったよりも安いと思った人は、キャリアアップを目指したり、転職するなど打開策も考えたいですね！
最後まで読んで下さりありがとうございました！今日も一日お疲れさまでした！
