有給休暇を使いすぎだから、今年の賞与の評価はマイナス査定ですと言われてショックだったことはありませんか?
有給休暇を使ったことで賞与の査定や評価を下げるのは違法です。
有給休暇は労働者の権利なのですべての日数使う権利があります。与えられて権利なのに、「使いすぎ」と言われ、評価が下がるのはおかしいです。
有給取得がマイナスになる職場に勤めているとき何に注意すればいいのか考えてみました。
有給休暇取得で評価を下げるなど不利益な扱いは違法
コンプライアンスを守れていない会社の場合、「有給休暇取得=悪いこと=評価を下げる」という図式が出来上がっていることがあります。
有給取得で査定が下がるのは違法
有給取得率や取得日数が多いことを理由に査定評価を下げることは
評価を下げることについて会社や上司がこんなことを言ってくるかもしれません。
- 有給取得により労働時間が減ったのだから評価が下がって当然
- 有給使うのは同僚に迷惑かけるのだから査定でマイナスがつく
- 有給消化率が少ないほど会社に貢献していると評価する
有給休暇を取得するのは労働者の権利なので、権利を行使することで評価が下がることはあってはなりません。
委縮して何も言えなくなりそうですが、言い返したいですよね。
有給使いすぎが理由で評価を下げることが違法である根拠があります。
労働基準法附則第136条に年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金減額その他不利益な取り扱いをしてはならないと定めています。
なお、有給取得で評価を下げるだけでなく、有給取得を阻んだ場合は罰則もあります。
会社が有給休暇取得を合理的な理由もなく拒否すると労働基準法第39条違反となり罰則は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。
会社が有給取得を渋る場合はこのことを伝える必要がありそうです。
賞与の査定をマイナスにすることで、従業員は有給休暇を使いにくくなります。
少しずつ有給休暇を使いにくい雰囲気が広がり、後から入社した後輩たちもそれに倣って有給がとりにくくなります。
会社が有給休暇を使いにくくさせる点も悪質であるでしょう。かなり職場環境が悪いと言えます。
あなたが、有給使いすぎで査定をされられたことを疑問に思うのは当然のことです。あなたは悪くないので自分を責めるのは絶対ダメです。
10日以上有給取得はマイナス評価など日数制限もダメ
2019年4月から5年10日以上年次有給休暇を持っている労働者に対して、年5日は必ず有給休暇を取得させることが義務となりました。
そのため、5日は有給取得して良いけれど、それ以上取得する人の評価を下げたり、取得したことに対し嫌味を言うなどの職場があります。
当然のことですが、「有給休暇を●日以上取得する場合は評価を下げる」というのも違法です。
- 有給休暇を全部取得するなんて非常識
- 周りのことを考えて有給取得を遠慮するのが若手だろう
- お盆休みや年末年始に欠勤減額していないのだから有休消化だ
などいうのもすべて違法でありパワハラに該当する発言です。
「年次有給休暇を取得することで賞与額に影響するのは違法だと思うのですがどうなのでしょうか?」
と毅然として問いたいところです。
精勤手当・皆勤手当のカットされていませんか?
有給取得で賞与の査定を下げる会社では、有給休暇を取得したときに精勤手当・皆勤手当を減らすことも多いです。
有給休暇により仕事をしなかった日は、通常の労働をしたものとして取り扱うことが定められています。
有給休暇取得した月の給料でも、精勤手当・皆勤手当も全額支払われなければなりません。
有給休暇は、欠勤ではありません。給料や各種手当は保証され、賞与のマイナス査定の要素には絶対なってはいけないものです。
目標未達だった場合、査定が下がるのは合法
有給使いすぎで、営業成績落ちたから賞与の査定がマイナスとなったと言われたときは、実は違法ではありません。
マイナスの原因は有給取得ではなく、営業成績が未達だったと判断されるからです。
具体的に説明します。
有給取得と目標未達は関係ある?
有給休暇取得が直接的な理由ではなく、間接的な理由で評価が下がること違法なことではありません。
具体的には有給取得で労働時間が減り、営業回りが少なくなった、接客人数が減り、売り上げ目標が達成できなかったケースです。
賞与の評価としては、売り上げ目標が未達だったから査定が下がったとなるため、違法なことではありません。
有給使いすぎという状況ではなく、目標達成状況を見て判断することは評価として適切です。
- 有給取得したから賞与減=違法
- 目標未達だから賞与減=合法
目標未達の理由が有給取得により労働時間が減ったからであっても合法です。
会社は利益を出すための組織です。
有給休暇を取得するのは自由ですが、減った労働時間を考慮しても目標達成するように効率的な業務しなければ、査定がマイナス評価になるのは仕方がありません。
賞与の査定の内訳が公表されないのは違法?
ただし、賞与の査定内容や項目はブラックボックス化されていることが多いです。
有給使いすぎで査定が下がったと思う人は、真面目に働いて成果も出しているのに査定が低いと思い、有給取得が原因と思いいたるでしょう。
しかし、本当に有休取得がマイナス評価につながっているかは査定内容が公表されていないので分からないと悩むケースがほとんどです。
賞与の査定内容をきちんと明示されていない会社の方は意外とあります。
残念ながらきちんと評価制度が機能しておらず、上司や社長の感覚で賞与金額が決まったとしても違法ではありません。
評価制度が公表されていないときは、就業規則上に定められている支給時期と対象者に支給されていれば違法ではないのです。
こうなると
「自分の賞与の査定に納得できないのでどこを評価していただき、どこが悪かったのかを教えていただけませんか?」
と尋ねて教えてもらうしか方法はありません。きちんとした回答が得られる可能性は低いですが…。
有給取得を使ってもきちんと評価求めるなら転職の覚悟を!
有給休暇をすべて使っても、仕事をちゃんとしているなら評価をきちんとしてほしいと思うなら会社を説得するよりも、良い会社に転職する方が早いです。
「有給使いすぎ=評価を下げる」場合、上司の独断か会社の方針かで状況は少し異なるので確認していきましょう。
上司が有給取得をマイナス評価する場合
たまたま上司が法律を理解しておらず有給取得を査定でマイナスにしてしまう場合は、上司が変わればあなたの査定は正しく評価されます。
また、人事部や上司の上司に申し出ることで、有給取得をマイナス評価することを改めてくれるケースもあります。
社内に相談できる人がいる場合、すぐに有給休暇を使いすぎという理由で査定が下がっていると思うと相談しましょう。
マイナス評価付けた上司と少し気まずい関係になる可能性が高いので、同じく有給休暇使いすぎで不当な評価を受けている人がいないか探して、仲間を作っておくのも良いでしょう。
あなたを応援してくれる人が社内に多ければ、逆恨みした上司からパワハラを受けるという危険も減りますよ。
逆に有給取得を悪いことだと思う人が多い職場なら、あなたが排除される危険があります。
社員同士が足を引っ張るような職場であれば、あなたがいくら頑張って働いても有給休暇を使いすぎというだけで、正しく評価されません。嫌われる恐れすらあります。
有給所得しやすい職場になるように説得するより、あなたらしく過ごせる職場を探すことに力を注いだ方が効率的です。
会社の方針が有給取得をマイナス評価する場合
賞与の評価シートに有給取得日数が査定マイナスを公表していたり、有給取得しないことが会社への忠誠心の表れだと公言するような職場は違法です。
違法な状態を会社が分かっているのに、改めないならそこはブラック企業です。
例えば、労働基準監督署に訴え出たり、相談窓口に相談しても会社は中々変わらないでしょう。
逆にチクった、タレコミした犯人扱いされ、職場の秩序を乱したとして社内で冷遇される危険性が高いです。
売り上げや成果をしっかり挙げていても、有休使いすぎだから昇格させないなど、キャリアを操作する可能性があります。
あなたが今後も有給休暇をちゃんと使いつつ正しい評価を希望するなら、早く次の職場を見つけるべきです。
まとめ
有休休暇を使いすぎという理由でマイナス評価する職場は令和になってもまだまだ多くあります。
有給休暇を何日使っても、賞与の評価は変わらないのが法律上正しい扱いです。
法令順守できていない会社なので、早めに見切りをつけて次の職場を探したほうがいいかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。今日も一日お疲れ様でした。