勤務歴が長くなると、新人社員の教育を任されることってありますよね。
正直、自分の仕事に手一杯なのに、なかなか評価されない新人教育も追加されるとしんどいです。
あなたは十分頑張っています。自分を責めて凹まないでください。
余裕がなくなって自分のことが嫌いになる前に、指導する側がストレスを溜めない方法を考えてみましょう。
- あなたが新人教育に疲れる理由
- 新人教育が嫌になったときの対処法
- 未経験者への指導のコツ
- 経験者への指導のコツ
新人教育に疲れてしまう理由って?
簡単に「あなたの経験を新しく入ってきた人に伝えればいいだけだから!」と言われたはずなのに、なぜ新人教育に疲れてしまうのでしょうか?
あなたに新人教育能力がないからではありません。
新人教育のゴールが見えない
あなたは新人教育のゴールを把握していますか?
- 社内ルールや業務の流れを把握すること?
- お客さんや担当を持ち1人で業務を完結できること?
- あなたと同じレベルで仕事をバリバリできること?
それって、どうやって測定するんですか?ちゃんとゴールを決めましょう。
新人教育でしっかりカリキュラムや投下時間を定めているのは稀です。
頑張っても疲れてしまうのは、「ここまでやればもう新人教育は終わり!」というゴールがあいまいなまま教育係を行っているからです。
新人教育に何が必要なのかを知らされていないから指導がつらく、しんどくなります。
会社や上司が新人教育を甘く見て、あなたに丸投げしているから疲れるのです。
きちんと話し合い、明確で実現可能なゴールを設定するよう、まずは上司と話し合いましょう。
新人教育、部下育成について本を読んでおくのも有効です。
1つでも学びがあり、気を付けよう、取り入れようと思えることがあれば対処に苦しむことも減ります。
私は新人教育について本で勉強しましたが、この方針で進めていいでしょうか?など上司に投げかけてみてもいいでしょう。
本業と新人教育の両立が難しい
あなたは新人教育を行う分、本業の業務量を減らしてもらえましたか?
もともと業務量に余裕があったわけでもないのに、新人教育が上乗せされることがほとんどです。
疲れるのも当たり前ですね。
加えて
- 新人教育に時間を取られるので、通常業務は後回し・残業になってしまう
- 新人が分かりやすいように、たくさん業務の資料を用意しなければならない
- 新人の能力や性格に合わせて気を使い、何度もフィードバックが必要
と、新人教育であなたの業務ペースがぐちゃぐちゃになってしまい疲れてしまいます。
本当にお疲れさまです。
あなたを育ててくれた先輩にどうやって新人育成を行ったか相談できませんか?
前任のノウハウを活かして新人教育に掛ける手間を減らしましょう。
退職させるな・パワハラするなの責任が重い
あなたに、「この新人は無理です。一人前に育てられません」と言える権限はありますか?
あなたは教えるだけの立場なのに、採用担当者と同様に、新人の職場定着・育成の責任を負わされています。
- 入社早々退職されては経費が無駄に。辞めさせるな
- トラブルが起きては大変。ハラスメントと思われる行動はするな
- 戦力になってもらわないと仕事が回らない。さっさと一人前にさせろ
仕事を教えることと、職場の定着は本来無関係です。
しかし、指導係は一番新人との接点が多いです。
結果、新人が
- 辞めた
- 泣いた
- ミスした
- 能力がない
- 常識がない
などしたら、あなたは連帯責任を負わされるのです。
結果、あなたは会社・上司からの新人教育のプレッシャーで疲れてしまうのです。
会社からのプレッシャーは新人教育が終わるまでなくなりません。たとえ新人が優秀だったり、性格が良い子でも同じです。
「良い子なのに、新人教育がストレスだと感じる自分が嫌になる…。」
嫌だと思っていいんです。仕方ない状況があるからストレスに感じるのは当たり前だと知ってください。
新人教育が向いてないと思った時の対処法
頑張っても新人教育が上手くいかないとき、教育係には向いていないと悩むことありますよね。
指導法については職種や指導する人によって、正解が違います。
しかし、指導する側のスタンスは共通することがあるので確認していきましょう。
相性の良し悪しはあると割り切る
指導係のあなたにまず伝えたいのは人間同士相性の良し悪しはあるということです。
「この人、合わないな~」と思うならそれはそれで仕方ないです。
新人指導を公平に行えば、新人を嫌いだと思ってもいいです。
- 必要な指導を漏れなく行う
- 嫌いだと態度に出さない
- 好き嫌いを職場の人に愚痴らない
この3つを守れば、心の中で「無理!嫌い」と思っていていいです。
可愛い新人と頼れる教育係という完璧な関係を目指す必要はありません。
新人教育の進捗を報告
教育係としてやっていくことに不安があるなら、教育の進捗をマメに上司に報告しましょう。
上司は、指導方法を丸投げしても、新人がどんな状況か知りたいものです。
あなたが新人教育を実施したら上司に報告しましょう。
- 【内容】今日は、◆◆の業務について、このように指導しました。
- 【反応】新人は●●という反応・行動・態度・理解でした。
- 【評価】きちんと理解できている/もう少し訓練が必要 と感じました。
- 【問題】本業の締め切りが近く、今週はこれ以上の指導が難しいのですが…。
- 【希望】▲▲の業務について、他の人に指導をお願いできませんか?
通常業務との兼ね合いで指導が難しい場合は、代替案を出して上司に相談しましょう。
あなたが対応難しく、上司に相談するのですから、上司は部下の相談に乗るのが本来です。
放置されたり、丸投げされるままならダメな組織・ダメな上司の可能性が高いので転職を考えたほうがいいかもしれません。
教育係だけが、新人教育すべての責任を負う必要はありません。
組織全体で新人育成に取り組む方がずっと健全です。
業務の中でも人によって、得意な分野・苦手な分野があります。新人教育もみんなで分業することで、上手くいく例もあることを知ってください。
あなたは、新人教育をまるっとすべて抱え込む必要はないのです。
報告という名のSOSを上司に送り続けてください。
助けを求めても何も対応してくれないなら、職場に見切りをつけるのも手です。
新人教育を押し付ける上司の下であなたが成長できる仕事が回ってくるとは思えません。
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気持ちが沈んだときはぜひ試してみて下さい。
ほどほどの距離感でOK
あなたがどんなに努力しても、新人=あなたの分身には育たない です。
一生懸命指導する真面目な人こそ、新人が思うように育たず、嫌になり自己嫌悪してしまいます。
完璧な社員に育成するのなんて無理です。新人教育に少し肩の力を抜いてください。
- その質問3回目だから、今回で覚えないとだめですよ。
- それは●●さんの業務だから、直接●●さんに確認してください。
- 今日私は外勤で不在なので、他の人に業務をもらって仕事をしてください。
って言っていいです。
「いつでも何でも何回でも聞いていい人」になる必要はありません。
「必要なことはちゃんと教えてくれる人」であればいいのです。
あなたが忙しい時「他の人から業務をもらって仕事をしてください」というのも、立派な指示です。放置ではありません。
もし新人が、他の人に聞いて仕事をもらいに行かなかったら、上司に報告しましょう。
「私以外の社員に声を掛けられない様なのですが、どうしたらよいでしょうか?」
後は上司との打ち合わせで、今後に指導方針を決めていくだけです。
あなたは新人のお母さんじゃないんですよ。新人の面倒を一から十まで見る必要はありません。
何度も同じ質問してくるのに付き合っていては、いつまでたっても自分の仕事ができません。
自立を促す意味も込めて同じことは3回までしか教えないとしてOKです。
無理な時は無理。ほどほどの距離感で付き合いましょう。
育成に成功すれば、あなたの業務が楽になる?
新人のために、親身になってあげよう。一人前になるように配慮しよう。自分も育ててもらったから辛くても頑張ろう。
あなたに何もメリットがないのに、新人教育をさせるのはやりがいの搾取かもしれません。
新人教育のプロセスがきちんと仕事として評価されていないなら、必要最低限以上の対応はする必要ありません。
「これ以上投下すると、通常業務に支障が出るので他の社員と分担が必要です。」と言っていいのです。
あなたが新人教育をすることで、成長した部下が3か月程度で
- あなたの仕事を引き継いで業務負担が減る
- あなたの産休育休中の代理として働いてくれる
- 業務を分担しあなたの残業を減らしてくれる
など明確なメリットがない限り、育成自体があなたの業務として高く評価されないとおかしいです。
育成が長期にわたるとわかったら、自分一人で抱え込むのは止めましょう。
3か月を超えてあなたが中心に育成をしなければならないときは、育成担当者であることの評価加点を求めることは正当な権利です。
図々しいなどと遠慮せず、上司に要求して現状のつらさを理解してもらう努力をして下さい。
業務経験者への新人指導のコツ
新人指導も、新人がどんな人かによって教え方が変わりますよね。付き合い方の注意点をまとめてみました。
年下の経験者
まずは、これも知らない、あれも知らない、何も知らないという前提で話してください。
「なんでこんなことも知らないの!」というのはNGです。
「前職の知識もあると思いますが、当社のルールを含め一から説明しますね。」とゼロベースで指導すると宣言しておきましょう。
馬鹿にされたと思う人はまずいないです。丁寧に教えてくれたと思うでしょう。
同年代の経験者
同年代(アラサー)であれば、前職で多少の経験があるでしょう。
しかし、あなたの職場と知識のレベルや業務の内容がずれていて経験者として入社したけど実質未経験という人が結構多いです。
「この業務、前職ではどんな手順で行っていましたか?」
「この業務は前職でやったことありますか?」
と、プライドを傷つけないように相手の能力を確認しながら指導していきましょう。
なお、あなたのライバルになる可能性も0ではありません。
変にマウンティングを取ってくるような人なら速攻距離を取りましょう。
年上の経験者(即戦力)
もしかしたら、すぐにあなたの上司になる人かもしれません。
「業務はご存じだと思うのですが、うちの社内処理ルールを説明しますね。」
「うちはこうやってやりますが、前職での経験でもっと効率的な方法があったら是非教えてくださいね!」
と前職に敬意を払いつつ、必要な所を説明していくようにしましょう。
なお、即戦力採用も稀に大ハズレすることがあります。
何だか様子がおかしいと思ったら早めに上司に相談しましょう。
業務未経験者への新人指導のコツ
未経験者への指導の方が楽かもしれません。
しかし、本人と業務のミスマッチが起こりやすいので、様子をよくよく確認しながら指導が必要です。
年下の未経験採用
社会人経験も浅く、ポテンシャル採用の方ですね。
マイナスから指導するつもりで、根気強さが必要です。
「資料に書いてないので、これから言う点をメモしてください。」とかできるだけ具体的に指導しましょう。
何を言っても反応が薄くて、指導係のメンタルがやられるかもしれませんが、ほどほどの距離感で付き合いましょう。
同年代で未経験採用
一番気負わず接せられる方でしょう。
しかし、同年代と不仲になると一気に職場が嫌になるので注意が必要です。
よっぽど気が合うを思わない限り、しばらくは指導係として距離を置いた付き合いをして様子を見ましょう。
指導の要所要所で「前の職場はどんな風に仕事をしていたの?」と未経験転職者でも前職を尊重するように問いかけしていくと、相手への理解が深まります。
年上で未経験採用
よっぽどポテンシャルがあったか、有資格など強みがあった人でしょう。
基本は丁寧語で、仕事を教えるというより、自社のやり方を伝える気持ちで指導するとが良いです。
「何でこんな人採用したんだろう?」と思ってもあなたは判断せず、事実と業務の理解度を淡々と上司と共有してください。
年下に指導されることを嫌だと思っているケースもあるので、様子を見ながらあなたが見下されていると感じたら、上司に相談しましょう。
「年上の方を教えるのはやはり気が引けて、相手も素直に聞く気にならないんじゃないかと思います。」
と指導係やる気はあるけど相性が悪いことを理解してもらい担当から外れましょう。
我慢するより指導を断った方が精神的には楽になれます。もちろん良い人そうなら、丁寧に指導してあげましょう。
まとめ
- 通常の仕事と新人教育を一緒にやるのは疲れて当然
- ほどほどの距離感で新人教育を進めよう
- 上司に色々報告してあなたの状況を分かってもらおう
新人に目が行って指導側のつらさが伝わっていないことって多いです。
新人が嫌になって自己嫌悪する前に、周りに頼ってみましょう!
最後まで読んで下さりありがとうございました。今日も一日お疲れさまでした。